Vol.168 2013 ワクワク楽しい経営日記パート13 ~人・モノに関するトラブル~
今回は、開業3~6ヶ月で、人・モノに関する起こりうるトラブルについて、お話します。
想定されるトラブルは、あらかじめ分かっていれば、対処出来ます。
大きなトラブルにも、発展しません。
大きく『人・モノ・お金』に分けて、お話しします。
まずは、『人(スタッフ)』から。
皆が同じように、成長していれば問題はない。
能力に差があると、院長はどうしても出来る人を優遇しがち。
出来ない人には、きつく当たってしまうこともある。
私もついつい、そうしてしまう。好き嫌い、合う、合わないが出てしまう。
まずは、院長が平等に接することが大前提。
出来ない人がいれば、励ます。
悩んでいる人がいれば、相談に乗る。
元気がない人がいれば、まめに声をかける。
いつも気にかけてもらっていると、実感してもらうことが大切。
また、スタッフ間でトラブルがないかも、注意する。
仕事が忙しいとついつい、イライラしがち。しかも狭い職場、逃げ場もない
(広くて逃げ場があって、いつもそこに逃げ込むのも、問題ですが。)
だから、お互い助け合い、声を掛け合うように指導してください。
全体が見える、人に寄り添うことが出来るスタッフを見極め、
リーダー候補にしていく時期でもあります。
また、役職ごとに職域を明確にすることで、無用なトラブルを、回避することが出来ます。
個別面談などで、どうしても医院の考え方や、方針に合わないスタッフは、
残念ですが、3カ月の試用期間終了後、契約を更新しない選択も、
考えるべきだと思います。
わだかまりがあるまま、半年、1年が経過。
大きな溝が出来てから退職するのは、お互いに不幸。
根本が合わない場合、無理しないほうがいいと思います。
ただ、一番問題があるのは、院長である経営者の場合が圧倒的に多い。
まずは、変えるべきは自分であると、肝に銘じるべき。
医院の文化、風土の確立が大切。そのためマニュアル作り以上に
大切なのは、「アワクレド」の順守。
これは院長であっても、必ず守る。
どんなに忙しくても、毎回朝礼で、1項目読み合わせを行う。
そして、1人がそれについてコメントを寄せる。
開院後、3~6カ月のまだ安定していない時期には、必要な習慣です。
アワークレドの内容に、スタッフ全員が共感していれば、
人に関するトラブルは、発生しないと思います。
●構造上のトラブル
私たちの医院は、ワクワク楽しい、夢と希望あふれる歯科医院。
そのため、健診の時期でなくても毎日、多くの子どもたちが訪れる。
そして、時として元気な子どもは、医院を走り回る。まるで運動場のように。
その飛び跳ねる足音が、これまた下のフロアに響く。
下は内科、時には高熱などで点滴の患者さまも来られる。
また、診断では、聴心器を胸にあてる。
そんな時、天井からあたかも大きなねずみが走り回るような、振動が伝わる。
集中して診療が出来ないという、クレームが続いた。
対策として、走り回る子どもには、即3階の待合室へ。
そこで心おきなく、飛び跳ねてもらう。
また診療室で、走り回るのは危ないので、スタッフ全員で声をかけ注意する。
もちろん、待合室にはポスターも掲示する。
内心、子ども専用の待合室があり、待ち時間ものびのびと走り回ってほしい
のだが、これは致し方がない。
中々思い通りには、いかないもの。
また、忙しい時間帯など、ものを取りにいく時間も惜しい。
そんな時、あるべきものが、欠品して手元にない。また、あるべき所にない。
探すのに時間がかかる。各チェアで置く場所がバラバラだと、大変。
これも、ルールを決めてください。
たとえば、棚や引き出しには、商品の名前を書いた、シールを貼る。
トヨタの看板方式のように在庫がなくなれば、すぐに注文できるようにする。
必要なものが必要な時、すぐ取り出せるようになれば、診療のストレスは
大きく改善されます。
キャビネットや器具などは、石膏やセメントなどが付着して汚れます。
そのままにしていると、汚れていることが当たり前になる。
そのため、いつもきれいに、機械、器具も整理整頓、清掃してください。
週1回、掃除の時間を作るのも良いと思います。
また、導線が悪かったり、使い勝手が悪かったりで、
設計で、もっとこうしたら良かったということが出てくる時期。
しかし、後の祭り。
しばらくは、我慢して使い、今後何かのタイミングで改善することも、考える。
私たちの医院の場合、受付カウンターのカーブが強く、受付が思いのほか狭く、
使い勝手が悪かった。
10年後のリニューアルでは、カーブを緩やかにし、3倍の広さに拡大しました。
また、開業して20年経過していますが、今だに解決されていない問題もあります。
それは雨漏り。開業当初からあり、阪神大震災でさらに被害が大きくなりました。
もちろん、20年の間、ビル外壁全体のふき付け工事や、さらに屋上の防水工事、
出窓のコ―キングのやり替えなども、行いました。
しかし、いまも強い横殴りの雨が降ると、北側の壁から雨漏りがします。
雨漏りは、原因が複雑で厄介。
診療には支障はないのですが、錆などが心配です。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院は、トラブルが起こる前に、皆で解決していきます。