Vol.160 2013 ワクワク楽しい経営日記パート5 ~思うように行かない時、どうするか~
今回は、開業3ヶ月~6ヶ月の間にやるべきこと。
その中で、思うように結果が出ていない場合について、お話します。
開業当初から、患者様がドッと来院したのは、遠い昔の話。
そんな夢のような世界を、思い描いても仕方ありません。
現実を、直視しましょう。
今の歯科医業の現実は、かなり厳しい。
私はこの地域で開業して、早20年。
その間私の医院を含め周囲には、約10軒新規にオープンしました。
そのうち3軒は、日曜日も診療しています。
ということは、日曜日も診療していないとやっていけないということ。
しかも、開業地である花園地区は道も狭く、人の動きも少ない。
新しく、人口が増えている地域ではありません。
住人が、どんどん、高齢化しています。
また、年齢が65歳以上になると、歯科に通う人は少なくなる。
この20年、周囲の人口が減っているにも関わらず、
歯科医院の数は倍に増えているのです。
1日あたりの来院数は、20年前の半分になっていてもおかしくないのです。
だから、開業してたった3ヶ月で、何もしないで、
1日来院数平均30人を超えた、ということはありえません。
が、しかし心配しないでください。
あなたの技術が、悪いわけではない。
説明の仕方が、悪いわけでもない。
設計、設備や内装が劣っているのでもない。
なぜなら、学生時代から歯科は厳しいぞ、と言われ続けたあなたは、
開業するため、必要なスキルや知識などは、セミナーなどを通じ、
すでに身につけてきたから。
また、設計、設備や内装も、デンタルショーや医院見学に行くなどして、
出来るだけこだわったから。
では、スタッフの対応が悪いのか?
今回採用したスタッフは、オープニングメンバー。
オープン時は、人が集まりやすい。
しかも、世の中は不景気。
求人の応募者は、思いのほか多かったはず。
だから、自分でも満足できる人選が出来た。
人に、不満はない。
しかも、この3ヶ月、一からのスタートにも関わらず、メンバー全員協力し、
全力を出し切ってくれた。
患者様も多くない中で、時間をとり、十分に対応できた。
来て頂けた人も、それなりに満足しているように見えた。
だからスタッフの皆には、本当に感謝の気持ちでいっぱい。
スタッフには、原因はない。
……でも、結果が出ない。
ということは、設計、設備、内装、ドクターの技術、スタッフの対応が
ある程度のレベルくらいでは、そう簡単には患者様が集まることは
ないということ。
それが、現実なのです。
開業にかけるお金が、かなりあり、最初から高立地に大型医院を建て、
設備と内装にも更にこだわる。
そして、技術レベルも、ある分野で誰もが一目置くくらい、
スペシャリストになる。
スタッフの対応や、接遇に関しても、とことんこだわり、
しかも、給料をどこよりも高くする。
更に広告宣伝費、SEO対策費など、月数10万という単位で、
継続的にお金をかける。
そんなあなたなら、開業当初からロケットスタート出来るかも。
でもそれは、一般的には不可能。
そう、私も開業当初は、コネなし、金なし、スキルなし、人間力なし。
さらに、意気地なし、根性なし。
だから、心配はご無用。
開業3ヶ月から6ヶ月の数字は、すでに折り込み済み。
この3ヶ月、
「ここまでやっても、やはり厳しいものだ。」
「独立開業、すなわちビジネスを立ち上げると言うことは、
こういうことなのだ。」
「今こそ、このスタッフの素晴らしい力を借り、思いを形にしていこう。」
「自分が成長する、最高のステージを頂いた。
だから、持てる力の全てを出し切ろう。」
……と考え、今は自分を知り、現状を知り、学び、アイデアを出し、
そして、行動に移す時期なのです。
そう、10年前(平成13年)の私も、そんな感じ。
自分の中では、やるべきことはやった。
スタッフとも何となく、いい関係は築けている。
でも本当の意味で、患者様やスタッフと心から
深い絆で繋がっているわけではない。
心からの、信頼と満足を得ているというわけではない。
一生離れることのない、ファンや患者様が、集まっているわけではない。
何かが足りない。その何かとは?
思い悩む中で、様々な本を読み、セミナーに参加、そして実践。
でも最初は、全く上手くいかなかった。
やればやるほど、スタッフとも関係が悪くなった。
ギクシャクするように、なった。
変わることへの、恐怖。やっても、結果が出ないことへの焦燥感。
焦れば焦るほど、先が見えなくなった。
そんな時、一筋の光が射した。道が、突然開けたのです。
それは、CHP研究会代表 諸井英徳先生との出会いです。
次回は、諸井先生と私のスペシャル対談(笑)を、ご紹介します。
―――― 今回の学び ――――
ワクワク楽しい歯科医院は、運命的な出会いが、必ずあります。