Vol.78 2009ワクワク楽しい経営日記パート19 ~クレームその③~
またまたパートナー医院の先生から、クレーム報告を受けました。
有難いことです。
その報告は、
「その人は歯ぐきが腫れて、急患として予約外に医院を訪れました。
そして来られた順番通り、診察室へご案内。
適切な治療を受け、お帰りになりました。
クレームの電話があったのは、この人が帰られた後。
ご家族からでした。
クレームは、2点。
待ち時間が長い。
治療に対する説明が、不十分。」
担当医からの報告は、
「今後待たせないよう、十分な対応をします」。
この報告を見て、私は大きな疑問がおこりました。
そして、担当医に質問しました。
例えば、ヨリタ歯科クリニックでは待ち時間はゼロですか。
私たちのライバル(?)ディズニーランドでは、アトラクションの待ち時間はゼロですか。
ディズニーランドでは、60~90分待つのが当たり前。
私は何十回とライバル視察に行きました。
しかし、今まで待ち時間が長いとクレームを言うゲストに、会ったことがありません。
私たちの医院は、どうでしょう。
駐車場、駐輪場は狭い。
エレベーター、エスカレーターも無い、2階にある。
一部、 手すりも無い。
しかも、いつも混み合って待ち時間が長い。
初めての方は、治療もしない(応急処置のみ)。
毎日、クレームがいっぱいくるでしょうか。
そんなことはありません。
では、何が違うのでしょうか。
ゲストや患者様が、いい人ばかりなのでしょうか。
答えは、立つ位置の違いだけです。
すなわち、自分側に立っているか、相手側に立っているか。
それによって、掛ける言葉が全く違ってきます。
例えば、ドクターなら
「わざわざお越し頂き、有難うございました」
「お待ち頂き、有難うございました」
受付なら
「あと○○分で、お入り頂けます」
「お時間は、大丈夫でしょうか」
アシスタントなら
「お車で、スムーズに入れましたか」
「駐輪場は、混んでいませんでしたか」
この人が何分待っているのか、痛みがあるのか。
また、いつも車で来ているのか、自転車なのか、徒歩なのか、
その全てを把握したお声かけが出来ていれば、
自分のことを、いつも気にかけているということが伝われば、
大きなクレームになることはないのでは。
大事なのは、いつも待たせないように気を張り詰めて、
バタバタ診療することではありません。
回転を早くし、流れ作業で仕事をするのではありません。
人として、その人自身を思いやる心を持つこと。
その人自身に、興味を持つこと。
メンバー全員で、おもてなしすること。
ただそれだけ。
何も、難しいことはないハズ。
問題なのは、それに気づかないこと。
本質を見ないで、言い訳ばかりすることなのです。
言い訳は、見透かされます。
そして大切なのは、この問題を当事者だけのものとせず、
メンバー全員で共有し、話し合うこと。
その中で、文化や風土が作られていきます。
多くの人の意見を聞く中で、私たちらしい対応、心構えを、身に付けていきましょう。
マニュアル人間には、ならないで下さい。
人が成長する組織作り、これからも続けていきます。
今回の学び クレームの原因は見えない所にある。