Vol.17 理想の歯科医師を目指してパート5 ~競争社会にもまれて~
前回お話しましたように、小室歯科は大型診療所。
ドクターだけでも、20名以上います。
そして、入社するには、筆記試験と面接があります。
それ程小室歯科は、技術レベルが高く、就職希望者が多かったのです。
また、縁故や紹介などで、断りづらい場合もあるので、
あえて試験をすることで明確な基準をもうけていました。
また、小室歯科は原則新人ドクター、しかも男性しか採用しません。
そのため、志の高い野心家が多く集まる医院でした。
また、当時勤務していた先生は、今以上に開業志向が強い人の集まりでした。
出来る限り、短期間(3~4年)で技術を身につけ、開業医として成功する。
目的をはっきり持って、その目的の達成のため、がむしゃらに働く。
周囲はそんな人ばかり。
何をかくそう、私も学生時代から日付けを付け、
開業医としての成功のプロセスを明確にしていました。
そのため学生時代、アルバイトを通じ、接客を学びました。
6年生のインターン時代は、誰よりも臨床を行いました。
症例数も、作った技工物も学年でトップレベルだったと思います。
そのため、小室歯科同期入社7名の中で、入社当時、1番臨床経験が豊富でした。
また、小室歯科は何といってもが補綴がメイン。院内技工レベルも高く、
また、印象や形成などのチェックも異常なほど厳しいものでした。
また、自費中心の医院。保険点数はあまり評価されません。
というか、1日10人程度しか1人のドクターが診療しないシステムなので
保険点数は上がる訳ありません。
正当な評価を得るためには、患者様と信頼関係を築き、
より高度な診療を受けて頂く必要があります。
そのため、新たに技術を学び、診療レベルを上げる努力をし続ける
必要があります。
また、診療ユニットも決められているため、
2台同時に使用することは出来ません。
したがって、アポイント通りに診療を進め、アポイント時間内に全て最終する、
スピードと正確さが要求されます。
そして、基本的には何かトラブルがあっても、自分で解決する、
アドバイスはしてくれますが、手助けしてくれることは稀です。
また、月初めの定例会では、全てのドクターの個人成績が
全スタッフの前で、しかも名前入りではり出されます。
そんなものすごいプレッシャーの中で、4年間生き抜いてきました。
本来、口ベタで不器用な私でも、診療レベルや、
コミュニケーション能力が磨かれないわけがありません。
ということで、次回より4年間勤務医として、学んだことについてお話します。
今日の学び
過去があるから今がある