Vol.10 理想の自分を求めて パート7 ~大学時代の貴重な体験 その2~
大学4年生のとき、テニスの練習の合間に、新たなアルバイトを始めました。
それはホテルのフロントマンです。
岡山駅の西口にある、小さなビジネスホテルのフロントで、
週2回、夕方から翌朝まで、仮眠を取りながら、ホテルのフロント業務を学びました。
簡単な接客、電話対応、会計業務、そしてクレーム対応です。
フロントマンの経験は、私が歯科医院を開業するにあたり、非常に参考になりました。
というよりも、私は卒後出来るだけ早く、独立開業しようと考えていました。
出来れば、卒後3年後くらいを目処に。
そのため、卒業後すぐに地元に戻り、技術を学べる開業医に就職しようと考えていました。
そして、学生時代は出来るだけ接客を学ぼうと考えていました。
医院経営も、今後厳しくなるため、歯科医院であってもサービス業的な考え方や、
対応が求められるであろうと予想していました。
その経験が、今本当に生かされています。
私たちの医院には、現在白衣を着ない制服を着た、受付専属メンバーが3人います。
(私はスマイルクリエーターと呼んでいます)
何故3人必要かというと……。
1. まずはスムーズなフロント対応(一人目の受付業務)
常に笑顔を絶やさず、細かい気配りが出来る受付。
とても忙しくても、丁寧な言葉遣いで、ゆっくりと患者様と対応します。
心からのもてなしが要求されます。
2. 迅速丁寧な電話対応(2人目の受付業務)
例えフロントで、接客や会計事務を行なっている時でも、
電話が掛かってきても焦ることなく、3回目のコールで受話器を取る必要があります。
もちろん電話回線も、2回線ありますので、同時に2人対応する事が出来ます。
電話内容も、ただ単に予約の変更の確認にとどまらず、その人の現状や要望まで、
時間をかけて、ゆっくりお聞きすることが出来るようになります。
3. 初診患者様への対応(3人目の受付業務)
予約で来院された、初めて私たちの医院を訪れる患者様に対して、
心からのもてなしが必要だと考えています。
何故なら、この人は「今日の私の選択が間違っていなかったか」という質問に対し、
期待と緊張を持って、一歩一歩重い足取りで階段を上って来ます。
「今なら知らないふりして、帰ることも出来そう」と心に思いながら。
そのため、勇気を持って玄関ドアを開ける初診患者様を、
カウンター越しにお迎えするのは、適切ではありません。
すぐさまカウンターから出て、玄関先までお迎えします。
最高の笑顔で、優雅な振舞い、そして適切な言葉掛けをします。
「初めまして○○様。お待ちしておりました」
まだ保険証の提示もしていないのに、名前を読んでいただいたことに関し、
患者様は心から信頼と安心を覚えることでしょう。「ここに来て良かった」と。
どんなにアポイントが入っていて、忙しくても、3人のスマイルクリエーターが入れば、例え歯科医院でも、
心温まるおもてなしをすることが出来るのです。
今回の学び
歯科医院はサービス業