「エナメル質形成不全」って何?
みなさん、こんにちは。
歯科衛生士の森永です。
今回は、『エナメル質形成不全』についてお話しします。
歯の表面はエナメル質という、人体の中で最も硬いもので覆われています。
しかし、そのエナメル質が何らかの原因で 先天的に影響を受け、
上手く作られなかった歯のことを、エナメル質形成不全といいます。
原因は大きく分けて2つあり、1つ目は「全身的な要因」で母親の妊娠期に
何らかの障害(母体の栄養障害、病気、感染、特定薬物の継続投与、ビタミン不足など)で
歯の形成、成長が一時的に阻害されることにより起こります。
全身的な原因による場合は、1本だけではなく複数の歯に症状が出ることが多いです。
また多くの場合、左右対称に現れるといわれています。
2つ目は「局所的な要因」です。
乳歯の時に外傷を受けた場合、乳歯の虫歯が大きく長い間化膿状態であった場合、
後に生えてくる永久歯に影響がでて、エナメル質形成不全がみられることがあります。
局所的な要因の場合は、左右対称にみられることは少なく、1歯から2歯に限られます。
エナメル質形成不全の歯は歯質が欠けていたり、歯の石灰化が不全のため
歯の表面がザラザラしていて、汚れも溜まりやすいため、他の健康な歯に比べて
むし歯になるリスクが高く、一旦むし歯になると進行も早いです。
そのため定期的に歯科医院で検診を受けて頂き、クリーニング後に高濃度フッ素を
塗布し歯を強化していくことが重要になります。
またご自宅では 、保護者の方が仕上げ磨きを行い、家庭用の低濃度フッ素ジェルを
塗ってあげると良いかと思います。
仕上げ磨きを行なっていて、
あれっ?何かおかしいかも?
気になるな?
と思ったら、何でも遠慮なくカムカムクラブに通って頂いた時にでも、
私たち歯科衛生士にお尋ね下さいね。
<歯科衛生士 森永 睦>