[’06/1/12]価値ある仕事 価値ある私
2月19日、岡山大学歯学部同窓会で、私のセミナーが開催されます。
同窓生と、その医院で働くスタッフ、計300人が集まるということです。
このセミナーはスタッフ向けということもあり、私以外のメンバーにも、
是非話して欲しいとの要望がありました。
そこで浮かんだのが、衛生士の星加裕美でした。
彼女今まで、私のセミナーで講演したことはありません。
それどころか、多くの人の前で、スピーチするのは友人の結婚式披露宴ぐらいではないでしょうか。
その彼女が快く(?)引き受けてくれました。
そして、年明けにセミナーの原稿を私に見せてくれました。
その演題が「価値ある仕事 価値ある私」です。
私は彼女に特別な思いがあります。
というのも、2度の再会を経験したからです。
1度目は約5年前の、就職希望の面接です。
その当時は、私が全て1人で面接しておりました。
面接時の彼女は少し引っ込み思案で、自信なさそうに見えました。
正直、彼女は面接ではあまり好印象を与えるタイプではありません。
彼女の良さは初対面では発見しにくいのです。
人を見る目がない〈今もそうですが〉私は、彼女に不採用通知を送りました。
しかし、その1週間後、たまたま欠員が出たので、もう1度声を掛けてみたのです。
彼女は快く、私たちの所へ来てくれました。これがもし、面接後1ヶ月くらい経過していたら、
お互い再会することはなかったでしょう。この苦い経験から、採用面接の方法を大きく変えました。
その後1年半のアシスタント経験の後、彼女は、歯科衛生士の道を歩む事になったのです。
その時の彼女の言葉。
「衛生士になって違う歯科医院を見てみたい。違う環境で自分を試してみたい」
私はその時には、彼女の素晴らしさを充分理解していました。
今後私たちが目指す理想の歯科医院作りには、必要不可欠なメンバーだと確信していました。
そして私が心から誓ったこと
「衛生士となった彼女にとって、他のどの医院より魅力的で、
なおかつ個々の能力が伸ばせる医院を作ろう」と
今度は私が、彼女に選んで頂く番でした。
「彼女に選ばれる医院を作らないで、患者様に選んで頂ける医院が出来る訳がない」
そんな思いでいっぱいでした。
そして2年後、衛生士になって彼女は、私たちの元へ帰ってきてくれたのです。
「色んな医院で実習、見学しましたが、私にとってはココが1番です」
大きく医院を変えていくための第1歩を踏み出したあの頃の私に、
自信とさらなる向上心を与えてくれたのが、他ならぬ星加裕美、その人なのです。
彼女にとってもこの5年間は、人生のターニングポイントであったと思います。
彼女は4年制大学を出ているため、人よりかなり遠回りをして衛生士になりました。
家族の支えや、友人の理解がなければ、今の彼女はありません。
その彼女の、内に秘めた思いを私の愛する母校の同窓生や、そこで働くスタッフの皆様に
聞いて欲しいと思っています。きっと多くの気付きや学びがあると思います。
彼女は私たちの医院を通じ、衛生士という価値ある仕事に巡りあうことが出来ました。
そしてその仕事を通じ、価値ある自分に成長したのでしょう。本当に嬉しく思います。
この運命の巡りあわせに感謝し、これからも彼女の成長を応援し続けたいと思っています。
<彼女とは赤い糸で結ばれている(?) 寄田幸司>