よく噛むということ
こんにちは、藤井です。
咀嚼とは食べ物を噛むことですが、ただ単に食事を行うためだけではないようです。最近では、咀嚼と、認知機能との関連が注目されてきています。咀嚼を行うことで生じる刺激は、歯の根っこから顎の中にある神経を伝わって脳にまで到達します。その刺激は、脳における感覚野や運動野、更には記憶や情動を司る部分までをも刺激するそうです。特に、大脳において、口の感覚や運動を司る部分は多くの割合を占めており、食べることで大脳の多くが刺激されるため、認知機能において非常に重要な役割を占めていると言えます。
また、マウスの実験においては奥歯をヤスリで削り餌を咀嚼できなくなったマウスでは学習や記憶が正常マウスに比べて苦手であったとの報告があります。その一方で、マウスの歯をセメントで修復すると正常マウスを同様の記憶力にまで改善したという報告もあります。
健康な歯で咀嚼して、十分に味わうことで美味しい食事がいただけます。そうすることで様々な認知機能に関連する神経疾患の予防にも繋げることができます。歯をなくさないようにするには、まず日頃の習慣が大事です!私たちも、皆さんが美味しい食事を取れるように少しでもお役に立てるよう、診療を行っていきたいと思います!