Vol.82 2009ワクワク楽しい経営日記パート23 ~ドクター研修 その③~
今回は診療後行っている症例検討会について、少しお話します。
私たちの医院は、開業して18年。
しかし今でも私たちの医院を初めて訪れる人は、月100人以上。
そのほとんどが家族や知人、友人からの紹介。
すなわち、クチコミです。
遠方からお越しになる方も、多々いらっしゃいます。本当に有難いこと。
その人たちは、もちろん歯科医院に生まれて初めて訪れたのではありません。
かかり付け医があるにも関わらず、また数々の医院を受診したにも関わらず、
何かの噂を聞いて、私たちの医院を訪れるのです。
「ここなら、私の要望を聞いて頂けるのではないか。」
そんな、切なる願いを持って。
初診で訪れた方は、全てカウンセリングを行います。
患者様の思いを時間の許す限り、お聞かせ頂きます。
それをカウンセラーはカウンセリングメモに書き取り、担当医に伝えます。
私は、ほとんど新患を取ることはありません。
今までの私の患者様に満足して頂くことに、全力を注いでいるから。
担当医を中心に、チーム全体で初診の方へ信頼と満足度を高めていきます。
ここで大切なのが、治療計画。
私たちはただ単に、レントゲンと検査結果だけを基にして、
治療計画を立てるのではありません。
初診カウンセリングメモに書かれている、患者様の真の要望を
最大限に引き出し、治療計画を立てる必要があります。
しかし、最近の若いドクターは、悲しいかなそれが出来ていない。
例えば、出来るだけ歯を抜きたくない。
それが患者様の一番の要望にもかかわらず、
最初の治療方針に、○○部位の歯を抜くと書いてある。
私がここでドクターに質問。
「この患者様は、この歯が痛くて痛くてすぐにでも
抜いて欲しいというのが主訴なのですか」
「いいえ、その歯に痛みは全くありません」
「では、何故抜くのですか」
「検査結果から、残すのは不可能かと…」
「ここはヨリタ歯科クリニックです。患者様の意に沿わない、
治療方針を選択するのは、あなたが自分の医院をオープンした時にして下さいね。
ここでは、決してしないで下さいね。」
私はそのドクターが、例え他の医院で研修を積んだ
10~15年のキャリアのある先生であっても、心を鬼にしてばっさり切り捨てます。
「あなたは卒後、何を学んできたのですか。
そして、ここで何を学びたいのですか。
さらに、どんな医院を作りたいのですか。
私たちの診療方針にそぐわないのなら、あなたがここにいる意味はない。
お互い時間が勿体ないね。
よーく考えたほうがいいよ」と、お話します。
私はここで勤務した若手ドクターが、開業するからには、
その地域で圧倒的に、患者様に支持される医院を作って頂きたい。
そう、心から思います。
今は競争が激しく、開業してすぐ患者様が集まる医院はありません。
しかしそれとは逆に、私たちの医院のように患者様からの信頼が厚く、
クチコミで、どんどん患者様が引き寄せられる医院が出てきています。
この先さらに、二極化していくことでしょう。
そしてある手法がいいとなれば、それが急速に広がっていく時代です。
診療システム自体が、大きく変化する時期を迎えています。
もう10~20年すれば、個人開業ではとても太刀打ちできない時代に入るかもしれません。
ある意味、患者様の囲い込みが始まっています。
今は患者様が流動化する、最後の時代かも。
だからこそ勤務医時代、ここで多くを学び、
圧倒的に成功する歯科医師になって頂きたい、と心から思っています。
今回の学び 厳しい状況でこそ、真の実力が問われる。