去る10月2日(土)・11月6日(土)谷町六丁目で行われた「歯の手話を学ぶ会」に参加させて頂きました。
私と手話との出会いは中学2年の時、学校で「手話歌」を使った行事があり、当時クラス委員だった私が指導係として練習会に参加したのが始まりでした。
たちまち手話のとりこになった私は、手話を扱った文献、マンガ・・・と読み漁り、中でも一番私に影響を与えた作品は、軽部潤子著「君の手がささやいている」という作品です(数年前テレビドラマにもなりました)。
その後も高校3年まで手話歌や地域の手話サークルにも参加していた私ですが、専門学校に通うようになってからは、手話に触れる機会もめっきりなくなっていました。
こんな私ですが、医院に来られる聾の患者様とのコミュニケーションが筆談で曖昧なままに進み、また、十分な意思疎通もできないまま帰って頂くのがもどかしく、手話を使うことで少しでも会話が弾めば・・・との思いからの参加でしたが、講習は想像以上に難しく、また、参加されているほかの方々の熱意に圧倒された
一日となりました。
「聞こえないのなら書けばいいじゃないか、手話を使えばいいじゃないか」と、“聞こえるのが当たり前”の私たちは、兎角考えがちですが、実際詳しく話しを聞いてみると、手話を使って日常のコミュニケーションを取られている聾の方の数は、全体の2〜3割で、意外なことにも聾学校で手話を教わるということは全くないそうです。
聴覚に障害を持ちながらも、健常者と同じように話、相手の口唇から読み取るという訓練を、何年もかけてしていくのだそうです。しかし、実際それで全てが満足に出来るわけではありません。
では、筆談はどうでしょうか。
聾の方の中には、文章の苦手な方が沢山おられます。筆談でも単語の意味が分からず、会話がそこから進まなくなることも多々あります。
それでは、私たちが聾の方と、コミュニケーションを取るのは無理なのでしょうか?
そんなことはありません。大切なのは“伝える”ということです。
書いて分からなければ、身振り、手振り、全身を使って、手だけではなく、口、目、表情…
普段私たちが忘れてしまっている「相手の表情や、目の動きから、相手の心を察する」という能力に聴覚障害の方々はとても長けています。
言葉はうわべだけでは伝わらない、伝えることの大切さを、この講習で学ばさせて頂きました。
これからも、自分の持てる「言葉」の数を増やしていきたいと思います。 |