院内イベント

[’07/11/20] ありがとう

いつもお世話になっています、三菱東京UFJ銀行の高橋さんが、
私たちの医院を、訪れてくれました。

帰り際、ある本を頂きました。

タイトルは「ありがとう」 高木善三著 定価250円
40ページの小冊子ですが、心を打たれるエピソードがたくさん紹介されています。
その一つを紹介します。

「耳の大きなおじいさん」

私が子どもの頃、近所に東(あずま)さんというお宅があり、
そこにおじいさんがいました。
おじいさんはいつも藤椅子で揺られて居ました。耳が大きく、
いつもニコニコして、いつも半分寝ていました。

もとは父と同じ病院の歯医者さんでしたが、
数年前に定年退職しましたので65歳くらいです。
いまなら65歳は高齢ではありませんが、
「村の船頭さん」の歌詞にも「ことし60のおじいさん」と
あるくらいですから、当時は65といえば、近所でもっとも高齢でした。

この「耳の大きなおじいさん」は、
「悩み事、相談をするととても楽になり、
解決が見つかる」ということで評判で、近所の人はもちろん、
遠くからも人がやって来ました。

私は小さな子供だったので、
実際に相談したわけではありませんが、人の話によると、
おじいさんは、どんな話も黙って聴くのだそうです。

相手が笑うとおじいさんも微笑んでくれるのだそうです。
相手が泣くとおじいさんも、涙を流してくれるのだそうです。
相手が黙り込むと、おじいさんはやさしい目で見つめて黙って待ってくれるそうです。
そして、相手が立ち上がると、抱きしめてくれるそうです。

相談に来た者は、最後にはみんな涙を流して、
「ありがとう!ありがとう!」と感謝して帰っていくそうです。

「耳の大きなおじいさん」はどんな悩み事も、受け止めてくれるのだそうです。
あとになって私は、父親にこのことを聞くと、
「あのいじいさんはね、耳が聞こえなかったんだよ」
と衝撃なことを話してくれました。

「えっ!どうして!どうして耳が聞こえない人が相談を解決でしたの?」
と聞くと、父は、
「さあ、わからないけど・・・きっと愛だったんだろうね」
と言いました。そして、父は「ボケ(認知症)がかなり進んでいた」
と付け加えました。

耳が聞こえないおじいさん、認知症のおじいさん、
相手の話も聞こえない、相手の話も理解できないおじいさんが、
多くの人の相談事や悩み事を解決したということ。

そのおじいさんを思い出すと、
いつもニコニコしている笑顔が浮かんできます。
相談者は、黙って聴いてくれること、うなずいてくれること、
共に喜んでくれること、共に悲しんでくれること、
それを一番に求めているのです。


その人のありのままを受けとまることの大切さを、学びました。
私も、共に喜び、共に笑い、共に驚き、共に悩み、
共に悲しみ、共に感動できる、愛にあふれた人になりたいと思いました。

高橋様、本当にありがとうございました。

この本のお問い合わせは

「地球村」出版
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 <耳の大きなおじいさんになりたい  寄田 幸司>

 

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