コンセプト

夢と希望あふれるワクワク楽しい歯科医院作り
~目標設定の大切さ~

1医院紹介

私は昭和62年岡山大学を卒業し、4年間の勤務医生活を経て、東大阪市花園で開業しました。
平成3年6月のことです。
東大阪市は大阪府下3番目の都市で、人口約51万人。
花園はラグビーのメッカとして、全国的に有名です。

当院は、近鉄奈良線の河内花園駅前にあるテナントビルの2・3階で開業しています。
駅周辺は商業地と住宅地が混在し、
商店街の通りを自転車や人が行き交う、下町の風情が残っています。

周辺の道は狭く、一方通行も多く、専用駐車場もないため、
車での来院者はほとんどいません。
9割以上の人が徒歩、又は自転車。
典型的な地域密着型医院です。

また、駅前なので、徒歩10分圏内に13軒の医院があります。
さらに、2軒の新規開業がありました。
そして、15軒のうちほとんどの医院が1階です。
当院は2階にあり、エレベーター、エスカレーターもありません。
これだけでもかなり、ハンディキャップがあります。

また、花園地域は駅周辺の再開発も思うように進んでいません。
そのため若い世代が少なく、高齢化地区です。
隣は小学校ですが、1学年20名くらいで将来は老人ホームになるとの噂も…。

しかし、私たちの医院は開業17年
今では常勤勤務医は私を含め6名メンバーの数も20名を超えました。
1日来院数は平均120名
未だに全くの初診の患者様が月100名以上お越しになります。
自分でも信じられないことです。

その秘密を探るため(?)、毎月多くの見学者が当院にお見えになります。
そして自動ドアを開けた瞬間に感じること。
ココは何かが違う
その「何か」とは、患者様の数や、スタッフの数ではありません。
もちろん売上でもありません。

それは見学者を迎える、チームメンバー一人一人の心からの笑顔
すなわちメンバー一人一人が夢や希望をいだき、そしてプロ意識をもち
自らの意思で楽しく働いている姿に共感、感動するのです。

大切なのは、仕事を通じ、自己成長すること。
仕事が楽しいから、自然と笑みがあふれるのです。
チームメンバーから、
こんな医院で働きたい!
こんな医院を探していました
このメンバーならずっと仕事がしたい!
と、思って頂くことが大切。

そんなメンバーが輝いている、ワクワク楽しい歯科医院を作るために、
実際私がやってきたことを少しお話しします。

2ワクワク楽しい歯科医院に変わるまで

大学卒業後、勤務医の4年間は、自費中心の医院で、
主に技術の修得に時間を割いてきました。
そのため、開業するにあたり、技術さえあれば患者様もスタッフもついてくるという、
前近代的な考えでした。

とりあえず主訴のみを治療し、「何かあったらまた来て下さいね」という、
人を見るのではなくただ歯を診ている診療
スタッフとある程度の信頼関係は出来ていましたが、それ以上ではありませんでした。
心から深く理解し合い同じ夢と希望を共有する
仕事を通じ、お互い自己成長をすることなどあり得ませんでした。

患者様に愛される歯科医院を作る、その思いだけでヨリタ歯科クリニック開設
悲しいかな、そこには私に一番近い存在、最も大切にしなければならない存在
すなわち家族やメンバーのことを忘れていました。
そのために多くの辛い、しかしありがたい経験をさせて頂きました。

具体的には、開業4ヶ月目のある日、メンバー全員がその日で退職しました。
その日から、ある意味私は人間不信になりました。
「ここまでやったのに」
「仕事を途中で投げ出すなんて、なんて無責任で弱い人たちなんだ」
変わることのない、他人や環境を責めていました。
常に自分を正当化していました。

開業10年が経過。
最愛の母が旅立った時、私は診療室にいました。
その後一年間、自己嫌悪になりました。
悩みに悩み続けました。
そこまでして「患者様に愛される歯科医院を作ることが大切なのか」と。

そして、やっと気付くことが出来ました。
光が見えました。
目が覚めました。

今まで起こった全てのことは、意味があることを。
今まで起こった全てのことの原因が、自分にあったことを。
今から起きる全てのことは、自分で作り上げられることを。

人間的に成長出来ました。
人を心から愛することの素晴らしさに、気付きました。

守るべきものを、守り続ける
信じるべきものを、信じ続ける
変わらないものこそ、価値がある
人を信じ、自分を信じ、未来を信じることの大切さ

これら全てをメンバーから教えて頂きました。
そしてこのメンバーと共に、夢を実現していきたいと思うようになりました。
本気、本心、本音で将来の夢を語るようになりました。

そして、私は決断しました。
患者様に愛される医院ではなく、メンバーや取引き先に愛される医院を作ることを。
ビクビク怖い、出来れば行きたくない歯科医院ではなく、
夢と希望あふれる、ワクワク楽しい医師医院を作ることを。

3ワクワク楽しい歯科医院実現に必要不可欠なもの

予防をベースにしたワクワク楽しい歯科医院を実践するには、
チームメンバーの協力が不可欠。
私一人では決して、実現することは不可能。

私はその日から、家族のようにメンバー一人一人に接するようにしました。
馴れ合いではなく、他人行儀でもなく、真剣に裏表なく話をします。

共に笑い、喜び、悲しみ、お互い理解し、認め、励ましあい、
そして、仕事を通じ、知り会えたことを共に感謝します。
そこには、飾りやお世辞は必要ありません。
医院を良くするため、患者様に満足と信頼を与えるため、お互い本音で付き合います。

その結果、メンバー自身も私や患者様と家族のように接するようになりました。
信頼関係が生まれることで、夢は、願い続ければ叶う。
夢は、楽しみながら叶う
夢は、仲間と共に叶う
そう信じることが出来るようになりました。

ここで、私が行っている夢を叶える3つの方法についてお話します。

4夢を叶える3つの方法

1.個人の明確な目標(マイゴール)の設定

絶対に成し遂げたい、達成したいという目標が、明確であればあるほど、
人は多少の困難があってもそれを乗り越える意欲と行動力を生み出すことが出来ます。

まずは、目標(マイゴール)を明確にすることが必要。
そのため、実行期限と具体的数値目標を明確にします。
夢に日付を付けるのです。

また、目標に一歩一歩近づくことで、やりがい、生きがいが生まれます。
人生を楽しく生きることが、出来ます。

2.イメージング

次は、ゴールした瞬間を具体的にイメージします。
全速力でテープを切る姿、目的を達成した姿を、まるで映画のワンシーンのように、
BGMとセリフ付きで、思い描くのです。

私の場合は、「こんな医院に出会えて、本当に幸せです」と、涙を浮かべる来院者と
「私もあなたのような方とお会いしたかったんです」と、感動している私が
カウンセリングルームで手を取っている姿。
出来る限り、鮮明にビジュアル化していきます。

3.モデリング

夢の実現に最も大切な事。
それは、モデリングです。
そうです、真似るのです。
既に理想の医院を実現している人や、医院のやり方をまずはそのままやってみるのです。

思考錯誤しながら目標達成することも大切。
その過程も、決して無駄ではありません。

しかし、時間がかかります。
短期間での夢の実現のため、モデリングはかかせません。
この3つを実行することで、信じられないくらい短期間に、
予防をベースとしたワクワク楽しい医院に生まれ変わることが出来ました。

それではいよいよ、本題に入ります。

5行動目標を立てることの大切さ

大学時代の貴重な体験。
大学も6年生となり、将来の進路を決める時期になりました。
母校の岡山大学歯学部は、全国29歯科大学の中で最も新しい大学。

そして私は、2期生。
大学にはまだまだ卒業生を迎えるポストもあり、
多くの同級生が、大学病院に勤務する道を選びました。

しかし私は、商売人の息子。
1日でも早く独立して、ビジネスを立ち上げようと思っていました。

すなわち、独立開業
しかし悲しいかな、岡山大学歯学部は新設大学です。
OBの先生で開業医はいません。
全くの手探り状態でした。

そこで私が行なった行動。
たまたま大学病院の目の前に、歯科機械メーカーの営業所がありました。
私は飛び込みでそこを訪れました。

目的はただ一つ。
大阪で成功している歯科医院を紹介してもらうため。
私が考える成功している医院とは、
医院のコンセプトや診療方針が明確で、技術レベルが高く
それゆえ圧倒的に患者様に支持されている医院
すなわち、確固たる独自性を持った医院です。

そして、もう一つの条件。
求人をしていないこと。
私の発想は、いつも人とは逆。
求人をしていない医院の方が、私の質問に素直に答えてくれると思ったから。

すなわち、自医院のことを過大に良く言う必要もありませんし、飾ることもありません。
本音で話してくれると思ったからです。
紹介して頂いたどの医院の先生も素晴らしい人格者でした。
私は医院見学を通じ、多くを学ぶ事が出来ました。

そして、私が投げかけた質問。
「なぜ、このような考え方を持つようになったのか。そのきっかけは?」
「卒後、どのような人生を歩んできたのか?何を学んできたのか?」
「あなたの目指す、理想の歯科医院とは?」
これらの質問をすることで、短期間で成功法則成功哲学を学ぶことが、出来ました。

私は卒後数年間の学ぶ環境で、歯科医師人生の進む方向性が決まると思っています。
そのため、少しでも多くの情報を得、自分で判断し、
自分の進む道を自分の力で切り開こうと考えていました。

その意味では、6年生の学生最後の1ヶ月の夏休みは本当に意義のあるものとなりました。
お陰様で夏休み終了後は、進路で全く悩む事がなくなりました。

自分自身に自信がつきました。
ほんの一瞬の人との出会いが、こんなにも大切であることを身をもって感じることが出来ました。
それ以降、やろうと思ったことは必ずやってみる、という考えが身につきました。

次にチーム全体での取り組みをお話します。

6年間行動目標

私たちの医院では、私ばかりではなくメンバー全員に年間行動目標を書いてもらいます。
今年も1月5日、全員提出してもらいました。
そして、ファイルし、いつでも目を通せるようにしています。

もちろん、年間行動目標は書いて終わりではありません。
これを縮小コピーし、メンバー全員診療中、胸ポケットに入れています。
毎日の朝礼時、1分間の黙読をするためです。
毎日目を通すことで、潜在意識の中に落とし込むことが出来ます。
知らないうちに、目標に沿った行動を起こすようになります。

そして2ヶ月に1度、月間行動目標も提出して頂きます。
定期的に振り返る、そして見直すことで、検証することが出来ます。

大切なのは、達成することではなく目標に向かってやり続けること、諦めないことです。
出来ないのは、才能がないのではありません。
やり方が間違っているから。
だからいつも確認し、うまくいっていない場合は、やり方を変えていきます。
そうすれば、いつか必ず結果が出ます

また課題に目を通すと、その中身が毎年充実しているのが、よくわかります。
具体的な数値目標や期日が明確に示され、内容もより細かく、
レベルも高くなってきています。
日頃から、自分自身をしっかり見つめ直している結果だと思います。

そして、各自の年間行動目標を繰り返し読むにつれ、頭をよぎることがあります。
この目標の達成を、私自身うまくサポート出来るのか。
もちろん目標を達成するのは、メンバー自身です。
私ではありません。

しかし、

  • 達成出来る環境を、作りあげること。
  • 実現しようとしている姿をみて、励ますこと、理解すること、 声を掛け続けること
  • 出来ていないのであれば、適切なアドバイスをすること。
    また他の出来る方法を、一緒に考えること。
  • そして、出来た事に対して、賞賛のメッセージを伝えること。
    正当に評価すること。労をねぎらうこと。
  • そして大切なのは、新たな目標設定の手助けをすること。
    さらに高いステージへ導いてあげること。

    それら全てのことを、その人ごとに適切に対応することが私の役割であると思っています。
    目標設定用紙を人数分コピーしてメンバーにお渡しすること、
    そして提出された用紙をファイルすることではありません。

    問題はここからです。
    このメンバーの思いや夢が詰まった貴重なファイルにある、
    真の思いを充分理解し、有効に活用すること。
    それは私に与えられた責務です。
    メンバーからの問いかけでもあります。
    メンバーの思いがびっしり詰まった年間行動目標を見ると、
    さらに身の引き締まる思いがします。

    やれば報われる制度の確立も大切です。

7評価制度の導入

個人の成長が、できるだけ正当に報われる仕組みも大切だと思います。
そのため、評価制度を導入しています。
マイナス面を危惧されるかもしれませんが、導入する目的を明確にすれば問題は起こりません。
やったことを正当に評価するプラス評価であり、「平等」ではなく「公平」に評価します。

平等というのはみんなが一律に昇給すること。
そうすると手を抜いたほうが楽だとか、やらないほうがいいという発想になりがち。
だから平等ではなく公平に評価することが大切。

そのため、昇給月や昇給額は個人により違います。
個人面談を通じて、目標を達成すれば給料が上がる仕組みになっています。
やればやるだけ給料が上がっていくので、各自目標を立て努力します。

まず、職種別にメンバーをクラス分けします。
Cクルー、Bクルー、Aクルー、主任、チーフと分類します。
勤続年数でランクが上がるわけでは、ありません。
3~4年他の医院を経験して、更なるスキルアップのために当院に就職する人も多くいますが、
そういう経験のある人でもCクルーからのスタートです。

そのかわり、能力があれば短い期間でもランクが上がっていきます。
私はそれが公平だと思っています。
個別に評価することも大切です。
評価制度を基に個人の給与が決まります。

もう1つの特徴は、各メンバーがどのランクにいるのかを全て公開していることです。
メンバー全員の給料が分かるのです。
そのため、周りとの比較がなくなります。
各自のポジションを明確にすることで、他人と比較しなくなるのです。
評価制度の確立は、定期的な個別面談が欠かせません。

8チームメンバーとの個別面談

2ヵ月に1回、個別面談を行います。
全体ミーティングトップミーティングもありますが、私が大事にしているのは個別面談です。
チーフが1人約30分ずつ面談するので、1日がかりです。
基本的には、コーチングを主体に行います。
自分が今後医院で何をしたいのか、どういう役割を果たしたいのか、
自分で答えを出してほしいと思います。

人間の可能性は、無限大
なりたい自分に、なることができます。
その人の持っている才能やまだ本人でさえ知らない才能を、
見つけ出すことに力を入れています。

定期的に面談を行うことで、ある瞬間から信じられないくらい伸びる人がいます。
私たちの医院に来て、1~2年で人が変わったように成長することがよくあります。
以前の勤務先の先生、もしくは同僚からびっくりするぐらい変わったと言われたと、
すごく嬉しそうに話していたこともありました。

メンバーは自主的に学び、成長しています。
私が手取り足取り指導することはありません。
その人の個性を引き出すようにしているだけ。
その人に合った、医院での存在価値やポジションを与えてあげれば、
人は自然とその役割を演じてくれます。

必要であれば、本を読み、勉強します。
講習会にも行きます。
卒後1年目の歯科衛生士が、フィンランドに1週間研修に行きました。
フィンランド式むし歯予防を学びたいと考えて、有給を使い自費で行きました。

そこで学んだことを医院で実践する場を与えてくれる、
それを正当に評価して認めてもらえるという土壌があるから、
自分でお金を出してでも行動を起こしてくれたのだと思います。

目標設定することは、業績をアップさせるためではありません。
組織文化、風土を、築くため

9人に優しい医院作り

こんなことがありました。
約2年ぶりに、当院を訪れたある患者様が開口一番。

「久しぶりに来てビックリしました。私が知っている人は、誰もいないんですもの。」

そして私。

「そうなんです。今日は24名のスタッフはいますが、
 ○○さんの知っている人は、私を含め3名しかいません」

それほど人が変わりました。
その理由は、1年間で3つのグループ医院をオープンしたため。
他の医院でも私たちの文化、風土を継承するため、
有能なメンバー
に出向して頂きました。

そんな時同じ様に約2年前に見学に来たことがある大学の後輩の先生が、
見学にお越しになりました。
約2時間の見学の後、感想を聞いてみました。

すると、
「私が前回来たときと、何一つ変わっていませんね
確かにドクターを含め、スタッフの人は初対面の人ばかりでした。
しかし、ヨリタ歯科が持っている独特の雰囲気は全く同じでした。
今回見学の目的は、その理由を知りたくて来たのです。
人が変わっても決して変わらないものがここにはある。
人を変える、または人が染まる何かがここにある。
その何かを見つけたいのです。」

それは一言で言うと、文化、風土といったものなのでしょう。
私も、ホームページ上で、「変わることのないクリニックの文化」というタイトルで、
さまざまな情報を発信しています。

しかし、「言うのは易し成るは難し」。
人の行動を変えるには、その人の心まで変えなければいけません。

しかし、心まで変えるのは大変なこと。
変えようと思って変われるものではありません。
また、それが真理なのかも知れません。

無理やり変えるのではなく、
その人自身を大切に思い尊重し認めることが出来れば、私たちのこと、
すなわち文化や風土を大切に思い尊重し、
認めてくれる
のではないかと思えるようになりました。

人にやさしい医院作りその人らしさが発揮出来る医院作りをすることが大切。
その土壌が、風土や文化を育むものなのです。

ヨリタ歯科クリニックの文化(ヨリタ歯科らしさとは)

  • 全ての人に、礼儀正しいこと
  • メンバーが、皆に親切であること
  • メンバーに、活気が溢れていること
  • メンバーが、個々に夢を持っていること
  • メンバーが、常に感謝の気持ちを持ち続けていること
  • どんな時でも、決して出来ないとは言わないこと
  • 医院全体が、常に清潔できれいなこと
  • メンバーの身だしなみが、清潔であること
  • メンバーの言葉遣いが、丁寧であること
  • 自らが、行動を起こすこと

そして文化、風土作りはリーダーの仕事です。

10リーダーシップ

リーダーシップの定義
それは「自分の夢に周囲を巻き込むこと」。
自分の思いや、やりたいことに日付をつけて、言い続けることが大切だと思っていました。
そのため、常に尊敬される人間にならなければならない、
強靭な意志を持ち、不屈の精神や、ケタの外れの行動力を持たなければならない。
そう信じていました。

自分を鼓舞し、「君なら出来る」と自分に言い聞かせる日々を送っていました。
しかし、それは「○○しなければならない」「○○すべきだ」と、
常に、自分にストレスをかけていたように思います。

心に余裕がない、時間に追われている、そんな私(リーダー)を見ていて、
メンバーが憧れるでしょうか。
そんなリーダーのもと、メンバーが一致団結して
「この人のもとなら、一生付いていきたい!」と、思って頂けるでしょうか。
私の仕事ぶりを見て、「私も将来院長のようになりたい」と、心からそう思って頂けるでしょうか。

冷静に考えてみれば、すぐわかります。
「ここまで頑張らなければいけないのか」
「プライベートを犠牲にしてまで、仕事をしなければならなのか」
「これで、本当に楽しいの」
「豊かな人生が、送れているの」
そんな声が、自分の中からも聞こえてくるようになりました。

そんな中で、気付いたこと。
リーダーシップの定義、そのものが間違っていたのではないか。
そう、自分の夢に他人を巻き込む必要などない。
人にとっては大変迷惑、おせっかいだということがよくわかりました。
ある時期後ろを振り返ると、誰もついていないことがありました。

リーダーの仕事は「関わるすべての人を、幸せにすること」すなわち、
メンバーの幸せだけを考えること。
言い換えれば、幸せづくりの専門家になること。
これに尽きます。

どうすればメンバー一人一人が幸せになれるのか、真剣に考えます。
知識がないのであれば、もっともっと視野を広げ、学び続ける、ただそれだけ。

出来ることから、一つずつ実行に移しました。
まずは始めに行ったこと。
メンバー一人一人を知ること

具体的には

  • 定期的に、個別面談を行うようになりました。
  • 気になれば、診療中であっても、個別で話すようになりました。
  • 少し時間があれば、「最近どう」って声をかけるようになりました。
  • 何気ないことでも、「ありがとう」と感謝の気持ちを素直に現すようになりました。
  • 自分から先に、笑顔で挨拶するようになりました。
  • メンバーの新たな可能性を引き出すため、「こんなことやってみませんか」と、提案するようになりました。

そんな中。
ここで働きたい
「ここで働いて生きがいが生まれました
人生が変わりました
と、言って頂けるようになりました。

メンバーの幸せを一番に考え、それをとことん考えられる人が、
すなわちリーダーなんだと。
大きな夢や、不屈の行動力がなくても、メンバーを幸せにしたいという気持ちを持ち続けるほうが、
大切なんだと思うようになりました。

そう考えると、私の心が随分軽くなりました。
心から笑顔が出るようになりました。
自分に素直になれました。

そして、さらに気付いたこと。
たくさんの人を幸せにするには、まず自分自身が幸せになること。
夢を実現し、組織が大きくなることで、さまざまな気付きがありました。

11他人は自分を映し出す鏡

医院が成長するにつれ、メンバーの数も多くなりました。
周囲の人(同業者)から見れば、こんなに急に人が増え、教育や指導など、
さぞかし大変なんだろうと思うことでしょう。

確かに、私が1から10まで手取り足取り教えようとすると、時間が全く足りません。
また、中途半端で終わってしまうでしょう。

だからとって、細かくルールやマニュアルを作り、
それに基づいた行動や発言をするように指示すれば、
指示待ち人間、すなわち依存型人間を育成することになります。

自分に今何が求められているのか、自主的に考え、
行動を起こす自立型人間になることはあり得ません。
自立型人間に成りなさいと言いながら、依存型人間を作り続けていることになるのです。

この数年、試行錯誤の末、やっとわかったこと。
それは相手を思い通りに動かすことを考えるより、
何も言わず自分が見本(お手本)を見せるほうが、よほど効果があること。

他人は、自分を映し出す鏡
人を育てたいのなら、自分が育つこと
すなわち自分の器を大きくすること。

他人を変えたいのなら、まずは自分を変えること。
人に夢を語らせたいのなら、まずはトップである自分が熱く夢を語ること。

一つの医院だけの小さな組織でいた時は、気付かなかったこと、
当たり前だと思っていたこと、正しかったことが組織が大きくなることで、
気付かされたこと、当たり前ではなかったこと、間違っていたことが、
よく理解できました。

今までは、自分を映し出す手鏡を持っていれば良かった。
これからは、全身を映し出す鏡が必要。
それも正面だけでなく、側面、背面まで映し出す三面鏡の前に立ち続けます。

12終わりに

私は、約7年前から、自分が考えていること、実現したいことを周囲の人に言うようになりました。
それも日付を付けて。
そして、行動目標を文字で書くようになりました。
まるで、自分にコミットメントするように。

その結果多くのことが実現しました。

そして今、さらに私自身の考えを明確に持ち
院長として、進む方向を明確にする必要があると痛切に感じています。

人一倍、ぶれない信念と、ゆるぎない自信たゆまぬ努力をし続けることが求められています。
私の発言や行動一つ一つが、問われています。

言ったことは現実になる、思いは実現する

その言葉を胸に、これからも夢と希望あふれるワクワク楽しい歯科医院を、
愛するメンバーと共に作り続けていきます。

Concept